匠の心意気。

 

先日のこと。

友人のとっておきの店、

「すし つの田」に連れて行っていただきました。

ここはかの名優高倉健さんがお忍びで通われた、

知る人ぞ知る名店なのだそうです。

どんな高級店なんだろう…

お財布大丈夫かしら…とビクビクしていたのですが、

ひっそりとした場所にあるその店は、華美な装飾など一切なく、

店内はカウンター席のみ。

初老の店主がお一人で静かに営業されていました。

お品書きは実にシンプルに二つだけ。

特上と上、にぎりとちらし。

私たちは特上のにぎりをお願いしました。

凛とした佇まいに柔らかい微笑みを浮かべながら、

いかにも高級そうなネタを握っては笹の葉の上に。

どれも素晴らしく美味しくて、

友人と話すのも忘れて、ひたすら口に運んでは幸せをかみしめておりました。

至福の時はあっという間に過ぎ、いよいよお会計です。

諭吉一人で足りるかな…銀座だったら二人だよな(汗)

「ありがとうございます。お一人様3240円でございます」

私は思わず「こんなにお安くていいんですか?」と驚きの声を上げてしまいました。

「これが普通なんですよ。美味しいものを沢山食べてもらいたいですからね。」

他が高すぎなのだと溜息をつかれた、

驕らない匠のまっすぐな心が美しい。

 

 

 

 

 

 

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