プレイボーイに恋したら……

文学の処方箋     『ある微笑』 フランソワ―ズ・サガン著

少し前までしばらくテレビのワイドショーでは女性タレントの不倫報道の話題でもちきりだった。彼女と彼の行動は結果的にいろんな問題を引き起こしてしまったので非難されても仕方がない部分もあると思うが、彼女へのバッシングはちょっと行き過ぎではないかと感じた。

先日、若い子が私に尋ねた。不倫て犯罪なんですか?ちょっとちょっと、今何時代なのよ と面喰ったのだけど最近のテレビや雑誌でなされるコメントをみていたらこれは、法的に裁かれるほどのことだったのかと思ったのかもしれない。

サロンで受ける恋愛相談には婚外恋愛のお話は少なくない。今回取り上げるケースは、妻帯者のプレイボーイに恋したパターン。彼は奥さんと別れる気はないけど、お付き合いしてる彼女ともつかず離れずの曖昧な関係。素敵なお花を見るとすぐに近寄って行きたくなる悪気のない罪なタイプ。彼女が割り切って付き合っていれば問題はないのだけど、たいてい彼女は悶々としている。彼女にあんまり恋愛経験がないうちにそんな彼氏にのめりこんだ場合は更に深刻だ。一途な想いを胸に真面目に悩むが、悩んでも悩んでも答えは出ない。

そんな時に読んでほしい作品が フランソワーズ・サガンの 『ある微笑』 だ。

作品中に登場する中年の魅力的な彼氏は、若い彼女との浮気が奥さんにばれてしまった時問題解決をするべく3人での話し合いの場を持つ。トラブルの中心人物でありながら実に冷静な対応だ。そして彼の傍らには、このような場においてさえパートナーやその恋人を責めずに真摯に受けとめようとする聡明で美しい奥さんがいた。このことで彼女は暗いトンネルに入りこむが、それが現実だということを認めざるおえない。彼女はひどく苦しむことになるが、ある感覚に辿り着く。それはこの小説のタイトルでもある “ある微笑” 。ある日ふと穏やかに微笑を浮かべている自分。彼が不在の中でこんな風に微笑むことができるんだと気づく。それは新しい自分の発見であり、彼から旅立つ自信を感じ取れた瞬間だと言えるだろう。

プレイボーイな彼に翻弄されて、進むべき道を考えあぐねてしまっている女子にぜひお奨めしたい。小説を読み終える頃には、主人公と等しく今までとは違う自分に出会えるかもしれない。

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